この日も朝もTwitterから生配信。
ようやくフルート演奏だ。
— 美鈴先生 (@misuzukamijo) August 14, 2020
それを終えた後はひたすら練習である。午前の最後に2回目の星矢君のレッスンがあったからだ。やりすぎて精神的にも体力的にも疲れてきたころ、レッスン場へと向かい聴講する。このレッスンではとあるオペラが題材の曲をやっていたのだが、レッスンを受けるうちにどんどん受講生の表現があきらかに変わっていく。ミラクルとしかいいようがない。
私の番がやってきた。みてもらったのは、クヴァンツの協奏曲1番だ。この日はピアノ伴奏つきレッスンだった。前回、西田さんの時のピアノ伴奏つきレッスンと同じくらいのテンポ、割とゆったりしたテンポでやる。終わった途端、「もっと早く吹きましょう、4拍子だけど2拍でカウントするくらいで」と言われて、いきなりテンポをあげられる。頭がついていかない。指と舌もついていかない。
この合宿では最後に、4日の夜と5日の午前中に分けて、受講生によるおさらい会がある。私はこの4日目の夜に決まっていた。
つまりは、7~8時間後に、このテンポでやれっていうこと??
正直、気を失いかけた。今までこんなテンポで練習なんて一度もしてない。何人か演奏聞いたがこんな早いテンポでやっていなかったからだ。けど、これの方が軽快で断然楽しい。
何故、この曲を演奏することをおさらい会に選んだのか。それは、合宿前に伴奏と合わせた時にめちゃくちゃ楽しかったからだ。なら、より楽しく演奏出来るようにやるべきではないのか?だから、このテンポでやることにしよう!そう思った。
一通りそのテンポで指導を受けた後は、私が長年悩んでいるタンギングの仕方、練習方法を教わる。これがまた超難しい。だが、これが出来るようになれば、バロックが素敵に演奏出来る気がした。
レッスン後、すぐに昼食を食べ、少し仮眠した後、また個室に行きひたすら練習をする。2時間もすると疲れすぎてきて集中力がなくなり、こんな状態で練習しても無駄なので、また星矢君のレッスンを聴講にいく。
最後の受講生のレッスンが終わった後は、また個室に戻り晩ご飯の時間まで練習し、晩ご飯を食べ終わると、また個室に行く。
その途中で、星矢君とすれ違った。
「最後まで粘ってきます!!」
と私がいうと
「ゆっくりさらってくださいね」
と言われた。その言葉に
「そのつもりです」
と私は答えた。なぜなら、直前にインテンポでやってミスったら、不安が増大するからだ。それは悪い方向の緊張を招きミスを誘発する。本番では一つでも多く不安を取り除けるように練習するのが一番なのだ。
個室に行き、ゆっくり音程やタンギングを確認するようにみっちりやる。もうこれ以上は無理と思いつつ、自分にムチをうち、ギリギリの時間まで(40分ほどだったろうか)練習をした。
おさらい会が始まり、私の番となる。
楽しく演奏しよう!!!というのが、目標だったが、緊張してた上に早いテンポで演奏するのに割と必死だったので楽しくは無理だった。とはいえ、そんな様子は微塵も見せてない。なので、誰も、私がそんなだったとは気が付いてないだろう。
この日のおさらい会は、私を含めて11人の演奏があった。毎回、かならず講評をもらえる。これがまたありがたい。
星矢君からは開口一番
「タンギングが甘過ぎましたね」
と言われた。そうだろう。自分でもまったくうまくいってないのはわかっていた。
「でも、すぐには無理ですからね。こらから頑張ってください」
とも言われた。
彼からの講評はこれだけだった。あまりに短すぎて少し拍子抜けした。だが、習えなかった2年の間、一人で頑張っていたけど、その方向性が間違ってなかったんだと思うことにした。
そして次は西田さんだ。西田さんには講評の前にこう質問される。
「自分ではどうでした?」
「可もなく不可もなく」
と私は答えた。納得できる演奏はしてないからだ。
結局、そこが大事なんだろうなと、その後、西田さんと色々話をしていて思った。それが一番難しいことだから。
ひとまず、来月、9月6日には、ひさしぶりにコンサートを行う。その時に納得できる演奏を頑張ろう。そう思った。
そしてその後は…
この日で発表が終わったメンバーで打ち上げだ。これはみんなでやっているわけではない。有志で勝手にやっているだけだ。なので、一緒に参加してくる人もいれば、別のところで気の合う人とわいわいやっている人もいる。だが、みな同じなのは達成感と解放感から異常に盛り上がり、この夜は寝れないということだ。
私や友人たちは年齢もあり、3時頃には切り上げたが、若い子たちの中には徹夜した子もいた。私も若かったら、合宿から帰って仕事がなかったら、絶対に徹夜していただろう。
こんな風にして4日目は終了した。
5日目へ続く
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