上達するためには、簡単な曲をしっかりと丁寧にしあげた方がいい、そして、完成度を上げた方がいい。
そう思ってる人は結構います。が、これ、ある意味、私はそんな程度のレベルだと言ってるのと同じなんですよね。
この心のブロックが最も上達を阻んでいたりするので、常に少しづつ難易度の高い曲に取り組んでいって欲しいのです。そういう意味でエチュード(練習曲)はとても使えるので、どんどんやった方がいいです。
このことは、算数や数学で例えてみると、よりわかりやすいと思います。
二段の足し算引き算ばかりやっていたら、掛け算はいつまで経っても出来ません。ましてや連立方程式なんか来たらチンプンカンプンです。
でも、少しづつ難しい問題をやっていけば、チンプンカンプンだった連立方程式も、すらすら出来るようになる日がやってくるんですよね。
つまり、音楽も同じということです。
今の自分のレベルより少し難しいものを、コツコツやっていく。その先にあんなの無理だと思っていた曲をやれる日が来るのです。
でも、それよりも何よりも優先しなくちゃいけない事があります。
基礎練習
です。音階練習や半音階、分散和音(フルーやオカリナでは和音が吹けないので、和音の構成音を一音ずつ吹くこと)を、なるべく毎日やること。
どんなに忙しくても、時間がなくても、その時間だけは作ってやること。全部は出来なくても、少しだけでもいいからやること。
もっとも、指の運動だと思ってやるとあまり効果はありません。姿勢や持ち方に気を付けることはもちろんですが、音階練習や半音階、分散和音には、それぞれの調性(音階ごとのキャラクター)があるので、それを感じながら、音程に気をつけながら、丁寧に練習をする必要があります。これはとても時間がかかるし、地味で辛い練習です。
が、これをやり続けていくと、指が回るようになり、譜読みも早くなり、音楽への理解も深まるようになります。つまり、もっとも上達していることを実感できる練習なのです。ですが、それを実感するには、数年はかかるでしょう。なので、ほとんどの人がやらないんですよね。
つまり、みんながやらない事をやれば、あなたは、その人達よりは断然、うまくなるという事です。
この基礎練習は音楽をやり続ける限り、一生やっていく必要があります。ウォーミングアップみたいなものですね。ロングトーンより、よほど効果があります。なので、時間がない時はロングトーンはしなくても大丈夫です。基礎練習をゆっくりやれば、ロングトーンにもなるので、工夫してやるようにしてみてください。